幼い頃
今にもたくさんの星が自分めがけて降ってきそうで
恐怖をおぼえた満天の星空も
小学生の頃
道路に星座図鑑を広げて
父と一緒に夢中で見上げた夜空も
東京に出てきて
銭湯の帰り道に火照った身体を冷ましながら
ひとり見上げた小さな空も
社会人になって
恋人の眼鏡を借りながら
二人で首が痛くなるまで見上げ続けた流星群も
そしていま
大自然の真ん中で
まるで異星か宇宙ステーションから見ているような
不思議で大きな宇宙も
なにもかわらない
ただ
なにもかわらずに
今もこうして頭上に広がっているこの空を見上げて
安堵と勇気を受け取れるほどに
私は
大人になった